ここのところ、先日までの猛暑がウソのように涼しくて、今朝などは秋のようでした。

第二ジロジロファームのコスモスも成長が早くて、先月に膝の高さくらいに先端を刈り取ったのですが、また伸びてきてしまいました。
そんな時に田植えの話です。
6月の末、大人になって初めて、田植えの手伝いをしました。

というのも、我が家のあたりの米作りは、40年程前から各戸ごとではなく、地域で組合を作って、その集団で行っているので、私のような素人が手伝う余地もなかったのです。
ところが、最近、当地区もご多分に漏れず、高齢化の波が押し寄せて参りまして、このたびの田植えデビューとなった次第なのです。
まあ、こちらにしたって、次の波となって押し寄せて行くのは時間の問題という感じなんですけどね。
さて、田植えが終わった日に波の親分、いや、長老格の人が私に声をかけてきました。
「さなぶりをやるからその時には来いよ」
さなぶり?
はて?
初めて聞く言葉。
もしかして田植機が「さなえ」?

その後に装着されて、肥料や農薬を振りまく装置があったけど、「さなえ」の後ろでフリフリ振りまくから「さなフリ」。それが訛って「さなぶり」?
あれの整備か?
そんなこたあない。
それにあの装置は「こまきちゃん」。

それとも、さ嬲り?
〈さ〉は鎖?
小鹿野の嬲谷を思い出します。
いろいろと妄想は膨らみましたが、周りの人達との会話の様子から、「さなぶり」とはどうやら宴会のことらしいことがわかりました。(アホらしい)
家に帰ってから、さっそく調べたところ、「さなぶり」とは「田植えの終わりに、田の神を送り、宴を張って祝う行事。さのぼり」とありました。(三省堂新明解国語辞典第4版)
漢字では「早苗饗」(さ上り)と書くようです。
なるほどねえ。
田の神と 併せて送りたや 山も神 流木
さて、その「さなぶり」
田植えも終わって久しい、来週に行われるとの連絡を受けたのですが、あいにく他の行事と重なって参加できなくなってしまいました。
仕方がないので土曜日に内輪だけのささやかな「さなぶり」を開催
「さなぶり」なので、ちいさなブリを注文しようとしたのですが、そういうのはないって。

本来ならば田んぼも土用干しの時期で、かんかん照りになって欲しいところなのでしょうが、あいにくのこの天気。
おかげでモツ鍋がおいしく食べられます。

ご当地ハイボールも良いですが

やはり「さなぶり」を祝うなら米のお酒がいちばん。

今の田んぼの様子

「さなぶり」
趣のある言葉なので、覚えておくために記事にしてみました。